ミートホープ偽装事件はとどまるところをしらない。腐った肉を使ったり、うさぎ肉を混ぜたり、したい放題だ。今日(7月4日)の報道では、出荷の際の細菌データが日常的に改ざんされたり、そもそも検査をせずにデータをOKにしたりしていたようだ。
そんな中、韓国でのお話だが犬肉を専門に販売するネット通販サイトが現れ、騒動になっているとのニュースが飛び込んできた。動物愛護団体からの抗議が相次いでいるようだ。
ソウル市南郊の衛星都市、城南(ソンナム)市にそのネット通販サイトは登場した。業者は届出を行った上で、インターネットで注文を受け、犬肉と料理に必要な野菜やたれなどを宅配で送っているそうだ。
城南市には抗議が相次いでいるが、城南市当局は「現時点では法的な制裁方法はない」としている。
運営業者は「体質上、犬肉が必要な人もいる。豚肉や魚は食べてもよく、犬肉はだめだという論理には同意できない」と話している。
実は中国も広州など南では犬を食べる習慣がある。さらに調べてみると、韓国でも犬肉は年間200万頭が食べられているのだそうだ。政府調査では調査対象の55%が犬肉を食べたと回答している。特に年齢があがるほど高く、50代では実に81%に達している。
ミートホープの田中稔社長は社員に「ラビットちゃんを知ってるか?」とたずね、中国産のうさぎをミンチに混ぜたとの報道がされているが、犬肉が使われてもなんら不思議はない様相をミートホープ事件は呈している。
人間が食べるものさえ、この始末である。しばらくは食肉業界も農水省の検査が入るので、エリを正すだろうが、この韓国の犬肉騒動を耳にして思ったのは、ペットフードである。かねてから、ペットフードの材料には疑問があったが、当然、すぐ死ななければ何をしてもいい、ペットはしゃべりゃあしない、と思う経営者がいても不思議ではない。
思い出すのがBSE、狂牛病である。BSEの原因は牛の肉骨粉を乳の出がいいからと与えたことによるプリオン(タンパク質)の異常だった。これは煮ても焼いても毒性が消えない。そしてどんどん伝播していく。
もう、口に入るものだけは、国産品は安心だ、というふうにしてほしい。最近の食をめぐる不祥事は、まるで中国での犯罪を見るようだ。
不祥事に対する企業トップの責任の取り方
我が社は絶対に法に触れるようなことはしない、コンプライアンスに徹する、絶対に不祥事は起こさない、と決断しても、大勢の従業員が永い期間にわたって多くの仕入先や顧客と企業活動を繰り返す中で、不祥事や事故は不幸にして起こってしまう。
そのような起こってほしくない事態までも見越して、社内のあらゆる体制を整えておくことがリスク管理であるが、日本ではかなり大きな企業でも、そこまで至っていない。どうあるべきかを考え、今回のミートホープ事件を検証してみたい。
・トップ自らが潔く非を認め、すみやかなで誠実な対応を誓うべきだ:
日本の会社はしばしばトップを守ろうとする。また、トップも責任を部下や前任者に転嫁しようとする。これは火に油を注ぐ行為であり、マスコミの恰好の餌食となる。
しかし、このような初期の記者会見で潔くない態度をとるトップが実に多い。東横イン・西田社長のやっちゃいました、スピード違反したようなもの、とおどけてみせたが、その後、一転、前面謝罪の態度に豹変した。
グッドウィルル・グループの子会社コムスンの介護不正請求事件も、当初、折口会長はまったく姿を見せなかったが、介護事業の関連子会社への移管を世論に糾弾され、厚生労働省が実に見苦しい遅ればせながらのクレームをつけると、突如、テレビに出まくり、持論を展開した。が、そこに介護事業への真摯な姿勢は見えず、ただただ、自身の事業継続、すなわち金儲けとしての介護事業へのスタンスが浮き彫りになったばかりである。
今回のミートホープ社の田中稔社長の記者会見はひどく見苦しいものだった。最初に豚肉が混じった、という言い方で偽装を否定し、次いで工場長に責任を転嫁し、のらりくらりと記者の質問をかわす見苦しい姿に、ついにみかねた長男の田中等取締役が「社長、本当のことを言って下さい。お願いします」と訴え、偽装行為が自らの指示だったことをようやく認めた。
トップが関与した時点でこの会社の継続はありえない。が、そんな切迫感すらなく、ごまかせると踏んだのか、マスコミをなめた対応であった。何が起こり、どこへ行こうとしているのかがイメージできていなかったのだろう。
もう、こうなった上は会社が存続できるかどうかである。したがってウミはすべて出し切らねばならない。マスコミに先手を取られているようでは負けなのだ。
これもなかなかほとんどの企業でできない。雪印はマイクをしつこく向けるマスコミに、石川社長が「私は寝てないんだ」と発言。報道陣から「こっちだって寝てないんですよ。そんなこと言ったら食中毒で苦しんでる人たちはどうなるんだ!」と猛反発。決してみせてはいけない姿を見せてしまった例ですよね。
今回のミートホープ社の田中社長の場合、社長がすべてを仕切っていたわけで、社内調査の必要もなく、すべてを告白できたのに、それをせず、どんどん連日マスコミがこれでもかとミートホープの悪事、すなわち田中社長の悪事を暴きたてました。こんな会社が給食の材料を納品し、加ト吉と取り引きし、生協の製品にまで流れていたのかと思うと背筋が寒くなりましたね。
田中の考えた方はまるで一部の中国人のようで、自分のフトコロさえふくらめば、人の健康が蝕まれようが知ったことではない、その場で死にさえしなければ、とすら思えます。
業界ではみんなやっていることだからとの理由でけじめをつけないと、企業力の弱いところから順番に市場からの退場を迫られる。
今回の例では、実はこの項が一番、恐ろしく一番知りたい部分である。食肉業界とはこういう業界なのか、ということ。その可能性が大いにあると思われる。
そのような起こってほしくない事態までも見越して、社内のあらゆる体制を整えておくことがリスク管理であるが、日本ではかなり大きな企業でも、そこまで至っていない。どうあるべきかを考え、今回のミートホープ事件を検証してみたい。
不祥事に臨むトップの初期対応がすべて
・トップ自らが潔く非を認め、すみやかなで誠実な対応を誓うべきだ:
日本の会社はしばしばトップを守ろうとする。また、トップも責任を部下や前任者に転嫁しようとする。これは火に油を注ぐ行為であり、マスコミの恰好の餌食となる。
しかし、このような初期の記者会見で潔くない態度をとるトップが実に多い。東横イン・西田社長のやっちゃいました、スピード違反したようなもの、とおどけてみせたが、その後、一転、前面謝罪の態度に豹変した。
グッドウィルル・グループの子会社コムスンの介護不正請求事件も、当初、折口会長はまったく姿を見せなかったが、介護事業の関連子会社への移管を世論に糾弾され、厚生労働省が実に見苦しい遅ればせながらのクレームをつけると、突如、テレビに出まくり、持論を展開した。が、そこに介護事業への真摯な姿勢は見えず、ただただ、自身の事業継続、すなわち金儲けとしての介護事業へのスタンスが浮き彫りになったばかりである。
今回のミートホープ社の田中稔社長の記者会見はひどく見苦しいものだった。最初に豚肉が混じった、という言い方で偽装を否定し、次いで工場長に責任を転嫁し、のらりくらりと記者の質問をかわす見苦しい姿に、ついにみかねた長男の田中等取締役が「社長、本当のことを言って下さい。お願いします」と訴え、偽装行為が自らの指示だったことをようやく認めた。
トップが関与した時点でこの会社の継続はありえない。が、そんな切迫感すらなく、ごまかせると踏んだのか、マスコミをなめた対応であった。何が起こり、どこへ行こうとしているのかがイメージできていなかったのだろう。
あらゆる不祥事、不都合を早期に明らかにすること
もう、こうなった上は会社が存続できるかどうかである。したがってウミはすべて出し切らねばならない。マスコミに先手を取られているようでは負けなのだ。
これもなかなかほとんどの企業でできない。雪印はマイクをしつこく向けるマスコミに、石川社長が「私は寝てないんだ」と発言。報道陣から「こっちだって寝てないんですよ。そんなこと言ったら食中毒で苦しんでる人たちはどうなるんだ!」と猛反発。決してみせてはいけない姿を見せてしまった例ですよね。
今回のミートホープ社の田中社長の場合、社長がすべてを仕切っていたわけで、社内調査の必要もなく、すべてを告白できたのに、それをせず、どんどん連日マスコミがこれでもかとミートホープの悪事、すなわち田中社長の悪事を暴きたてました。こんな会社が給食の材料を納品し、加ト吉と取り引きし、生協の製品にまで流れていたのかと思うと背筋が寒くなりましたね。
田中の考えた方はまるで一部の中国人のようで、自分のフトコロさえふくらめば、人の健康が蝕まれようが知ったことではない、その場で死にさえしなければ、とすら思えます。
業界では常識でも世間の常識を知れ!
業界ではみんなやっていることだからとの理由でけじめをつけないと、企業力の弱いところから順番に市場からの退場を迫られる。
今回の例では、実はこの項が一番、恐ろしく一番知りたい部分である。食肉業界とはこういう業界なのか、ということ。その可能性が大いにあると思われる。
| 日記
ミートホープ社・田中稔社長に見るコンプライアンスの完全欠如
企業のコンプライアンスがうるさく論じられている。コンプライアンスとは「法令遵守」と訳されるが、法令違反が事業継続すら危うくするのが昨今の社会情勢である。マスコミの魔女狩りにも似たエキセントリックな追求も、自分たちの不祥事に向けられることはないとタカをくくっている企業が大半だ。
雪印集団食中毒事件、消費期限切れ材料の不二家事件、米穀卸会社「日本ライス」によるブランド米の偽装など、食をめぐって次々と同根の問題が後を絶たない。
特にいずれの会社にも共通することとして、発覚直後の記者会見でのトップの対応の不手際がある。事実の隠蔽と小出し、組織の関与の否定、部下への責任転嫁、自身の責任回避など、いずれも後日、状況が判明すると問題を大きくするだけなのだが、どの食品メーカのトップも同様の態度をとった。
コンプライアンスと対をなすリスク管理の概念が欠如している。それと金あるいは利益に対する異様な執着が共通している。法に触れなければ何をしてもいい、を飛び越えて、法に触れてもバレなければいい、になった。日本人は潔い民族ではなかったか。
・6月20日、北海道加ト吉が製造した「COOP牛肉コロッケ」から豚肉が検出された
・色の悪い肉に血液を混ぜて色を変えた
・消費期限が切れたものをラベルを変えて出荷した
・腐りかけて悪臭を放っている肉の表面をそぎ落とし、細切れにして少しずつ混ぜた
・鳥インフルエンザが流行した際に値段が下落した輸入鴨肉を大量に購入して混ぜた
・パンをミンチに混ぜて増量した
・ブラジルから輸入した鶏肉を国産の鶏肉と偽って学校給食業者などに販売
・屋上の雨水を地下の水槽にためて冷凍肉の解凍に使用
・馬肉と牛の脂で作った肉を「牛カルビ」として偽装販売(40年前別の会社で田中社長)
・記者会見で当初、混入を否定、次いで工程で混じってしまった、さらに工場長がやった、と続き、最期に取締役である社長の長男に促され自らの関与を認めた。潔さはまったく感じられず、事の重大性の認識が欠如していた。東横インの社長会見と同質である。
・加ト吉の廃棄冷凍コロッケ横流しに関して、「半額セールで喜んで買う消費者にも問題がある」と消費者を批判するコメント。
・腐った肉を混ぜたのかの質問に対して、どこから腐ったかは難しい問題で...と回答。無神経ぶりを発揮。
・ミートホープ社はすぐさま廃業を前提に、全従業員の解雇を伝えた。通常、このようなケースではまず当面の偽装疑惑のすべてを明らかにし、再発防止を打ち出してトップ交代となるのものだ。それでも雪印にみるよう消費者の目は厳しく、会社存続は困難だが、ハナから廃業を前提に動くトップは珍しい。
・その後、社名を変えての会社継続を発言するなど、田中稔社長はまだ状況が分かっていないようだ。従業員の解雇は、農水省への告発に対する感情に任せた腹いせか?
・一方、解雇された従業員らが労働組合を結成。これは当然の動き。
・冷凍牛コロッケのミンチに牛肉以外のものが混じた件に関しては、加ト吉に責任はないとなっている。が、材料の品質およびその品質保証体制にまで責任を持つことは、自動車業界では常識であり、電機も一部でそのように動きつつある。これはリスク管理であり、加ト吉に広義の責任はある。
・北海道加ト吉の前工場長(24日解任)が、製造過程で余った本来廃棄すべき冷凍コロッケを、ミートホープに無断で販売し、販売計上せず、社内の懇親会に利用していた。
・北海道庁が昨年8月、ミートホープの元従業員を名乗る男性から苫小牧保健所に「牛ミンチ肉にウサギ肉や鶏肉を混ぜている」と告発する電話が寄せられたのに、事実関係を調べず、農林水産省にも連絡せずに事実上放置していたことが明らかになっている。
・半年前に農水省北海道農政事務所へ寄せられた偽装情報を巡っても、道との連携のまずさが問題化している。農水省はミンチ疑惑の解明は道に指示したといい、道はそんな文書はないと言い張っている。
・食肉業界はかつて産地偽装を大規模に行った業界であり、かねてから表示に対する疑惑がウワサされていたにもかかわらず、何度もの立ち入りで不正を発見できず、今回は従業員からの告発を無視している。農水省としては手をつけたくない業界なのであろう。あるいは癒着か?
<追記>2008.4.2
田中稔被告は札幌地裁で「食品表示に不安を抱かせ、食の安全への信頼を根幹から揺るがした。消費者を裏切る著しく背信的な犯罪」として、懲役4年(求刑・懲役6年)の有罪判決を受けました。
<追記ここまで>
雪印集団食中毒事件、消費期限切れ材料の不二家事件、米穀卸会社「日本ライス」によるブランド米の偽装など、食をめぐって次々と同根の問題が後を絶たない。
特にいずれの会社にも共通することとして、発覚直後の記者会見でのトップの対応の不手際がある。事実の隠蔽と小出し、組織の関与の否定、部下への責任転嫁、自身の責任回避など、いずれも後日、状況が判明すると問題を大きくするだけなのだが、どの食品メーカのトップも同様の態度をとった。
コンプライアンスと対をなすリスク管理の概念が欠如している。それと金あるいは利益に対する異様な執着が共通している。法に触れなければ何をしてもいい、を飛び越えて、法に触れてもバレなければいい、になった。日本人は潔い民族ではなかったか。
報道されているミートホープ社の主な不正
・6月20日、北海道加ト吉が製造した「COOP牛肉コロッケ」から豚肉が検出された
・色の悪い肉に血液を混ぜて色を変えた
・消費期限が切れたものをラベルを変えて出荷した
・腐りかけて悪臭を放っている肉の表面をそぎ落とし、細切れにして少しずつ混ぜた
・鳥インフルエンザが流行した際に値段が下落した輸入鴨肉を大量に購入して混ぜた
・パンをミンチに混ぜて増量した
・ブラジルから輸入した鶏肉を国産の鶏肉と偽って学校給食業者などに販売
・屋上の雨水を地下の水槽にためて冷凍肉の解凍に使用
・馬肉と牛の脂で作った肉を「牛カルビ」として偽装販売(40年前別の会社で田中社長)
田中社長の認識の甘さ
・記者会見で当初、混入を否定、次いで工程で混じってしまった、さらに工場長がやった、と続き、最期に取締役である社長の長男に促され自らの関与を認めた。潔さはまったく感じられず、事の重大性の認識が欠如していた。東横インの社長会見と同質である。
・加ト吉の廃棄冷凍コロッケ横流しに関して、「半額セールで喜んで買う消費者にも問題がある」と消費者を批判するコメント。
・腐った肉を混ぜたのかの質問に対して、どこから腐ったかは難しい問題で...と回答。無神経ぶりを発揮。
従業員への責任
・ミートホープ社はすぐさま廃業を前提に、全従業員の解雇を伝えた。通常、このようなケースではまず当面の偽装疑惑のすべてを明らかにし、再発防止を打ち出してトップ交代となるのものだ。それでも雪印にみるよう消費者の目は厳しく、会社存続は困難だが、ハナから廃業を前提に動くトップは珍しい。
・その後、社名を変えての会社継続を発言するなど、田中稔社長はまだ状況が分かっていないようだ。従業員の解雇は、農水省への告発に対する感情に任せた腹いせか?
・一方、解雇された従業員らが労働組合を結成。これは当然の動き。
加ト吉の責任
・冷凍牛コロッケのミンチに牛肉以外のものが混じた件に関しては、加ト吉に責任はないとなっている。が、材料の品質およびその品質保証体制にまで責任を持つことは、自動車業界では常識であり、電機も一部でそのように動きつつある。これはリスク管理であり、加ト吉に広義の責任はある。
・北海道加ト吉の前工場長(24日解任)が、製造過程で余った本来廃棄すべき冷凍コロッケを、ミートホープに無断で販売し、販売計上せず、社内の懇親会に利用していた。
農水省の責任
・北海道庁が昨年8月、ミートホープの元従業員を名乗る男性から苫小牧保健所に「牛ミンチ肉にウサギ肉や鶏肉を混ぜている」と告発する電話が寄せられたのに、事実関係を調べず、農林水産省にも連絡せずに事実上放置していたことが明らかになっている。
・半年前に農水省北海道農政事務所へ寄せられた偽装情報を巡っても、道との連携のまずさが問題化している。農水省はミンチ疑惑の解明は道に指示したといい、道はそんな文書はないと言い張っている。
・食肉業界はかつて産地偽装を大規模に行った業界であり、かねてから表示に対する疑惑がウワサされていたにもかかわらず、何度もの立ち入りで不正を発見できず、今回は従業員からの告発を無視している。農水省としては手をつけたくない業界なのであろう。あるいは癒着か?
<追記>2008.4.2
田中稔被告は札幌地裁で「食品表示に不安を抱かせ、食の安全への信頼を根幹から揺るがした。消費者を裏切る著しく背信的な犯罪」として、懲役4年(求刑・懲役6年)の有罪判決を受けました。
<追記ここまで>